やまめ山荘が生まれたのは昭和60年(1985年)。ご主人の父が地域の議員を務めながら、「東峰村の特産品を活かした料理屋を開きたい」と始めたのがきっかけでした。
建物は、ご主人の母の実家を活用。ご夫婦で切り盛りし、今では週末にアルバイトの手を借りながら、7組限定の囲炉裏席で丁寧なおもてなしを続けています。
広々とした敷地の手入れはご主人が担当し、春夏秋冬で異なる風景を楽しめる庭も魅力のひとつです。
「やまめ山荘」と名乗るだけに、主役はやっぱり“やまめ”。
このやまめ、実は先代が見つけた「岩盤と岩盤の間に流れる天然の水脈」の井戸水を使って養殖されたもの。現在もモーターでくみ上げるその清らかな水は、やまめだけでなく、お店で使われるお米やお茶にも使われているそうです。
このこだわりの水があるからこそ、やまめは臭みがなく、刺身(せごし)でも安心して食べられるほどの鮮度と美味しさを保っているんです。
おすすめは「やまめ料理 つつじコース」(3,960円・税込)。
炭火でじっくり焼かれたやまめの塩焼き
カラッと揚げた香ばしいから揚げ
そして、やまめの刺身(せごし)
この“三種のやまめ”を中心に、山菜や小鉢、南蛮漬け、煮豆、ごはん、味噌汁などが並ぶ贅沢なセットです。
どの一品にも、やまめ山荘ならではの「丁寧に作られた滋味深さ」が感じられ、ひと口ごとに山の豊かさがじんわりと広がります。
※もう一つの人気メニューは薩摩鶏(1人前2,200円)。七輪で自分で焼くスタイル。張りのある食感と噛むほどに広がるうま味、、、止まらないおいしさでした!
店内に入ると、やまめをモチーフにした大きな看板モニュメントが出迎えてくれます(ご主人のご友人がデザイン!)。
テーブルには囲炉裏があり、炭火で焼かれるやまめや地鶏を眺めながら食事を楽しむことができます。
大きな窓の外には清流が流れ、パチパチと炭の音、風にそよぐ葉の音がBGMに。
食後には「ほうじ茶」か「ホットコーヒー」を選べるのも嬉しいポイント。小石原焼の器で供されるその一杯は、旅の締めくくりにぴったりです。
福岡市内や北九州から、やきもの巡りや自然を求めてやってくる観光客も多いやまめ山荘。
地元の器、小石原焼で提供される料理や、食後のデザートに現れるキャラクター「森の妖精」。
これは小石原焼きの窯元「やままる窯」に特注で作っている陶器。森の妖精の帽子を取ると、中には「わらび餅」が入っている笑
実はこの「森の妖精」、密かに人気らしく、なかなか手に入らない代物との事。何とも言えない表情がたまらなくかわいい。
「喧騒を離れて、癒されてほしい」
そんなご夫婦のあたたかい想いが、料理にも、景色にも、空間のすみずみにまで感じられる山荘でした。