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祖母の味を受け継ぐ、心あたたまる一杯を求めて

食事

福岡県・東峰村。のどかな山間にあるこの地で、地元の人々や観光客に長年愛されてきた人気店がある。その名も「山乃茶家」。

かつて2017年の九州北部豪雨によって大きな被害を受け、一度は暖簾を下ろすことになったが、2023年、6年の時を経てついに再開を果たした。
「いつかまた、あの味をもう一度」——そう願い続けたファンの声に後押しされ、二代目・栁瀬拓也さんが、お父様と共にお店を再出発させた。

地元の人に愛され続ける、誰もが知る人気店

このお店のことを初めて知ったのは、地元の人から「ここのそばとうどんは間違いないよ」とすすめられたのがきっかけだった。
昔から東峰村で親しまれてきた存在で、「山乃茶家を知らない人はいない」と言われるほど、地域に根ざした人気店だ。
おばあちゃんの時代から変わらぬ味と温かいもてなしを求めて、今も多くの人が足を運ぶ。
そんな“愛され続ける味”に、今回初めて触れることができた。

店内は木の温もりが感じられる落ち着いた空間で、座敷席もあり、どこか懐かしさを感じさせてくれる。お昼時には地元の方や観光客で席が埋まり、あちこちから笑い声が聞こえてくる。

鴨の香りが立ち上る、絶品「鴨南そば」と牛肉のうまみ溢れる「肉うどん」

迷いに迷って注文したのは、店主おすすめの「鴨南そば」と「肉うどん」、そして「かしわおにぎり」。

まずは鴨南そばから。湯気の向こうからふわりと香る鴨のだし。通常なら太ネギを合わせるところだが、「山乃茶家」では刻みネギを使用しており、麺によく絡んでくれる。

そばは熊本県産のそば粉を使った二八そば。切って、湯がいて、乾かして保存し、注文が入ってから再度湯がくという手間を惜しまない製法のおかげで、だしがしっかりと染み込み、噛むほどに風味が広がっていく。

卓上に添えられた東峰村特産の柚子胡椒を加えると、ピリッと引き締まった味わいに変化。最後の一口まで楽しませてくれる一杯だった。

じんわり沁みる「肉うどん」

続いて運ばれてきたのは、肉うどん。つやつやとした国産小麦のうどんは、やややわらかめの食感。これは、地元の年配のお客様が多いことを考慮した、やさしいこだわりだそうだ。 使用されているのは国産牛100%。かけそばの出汁に、甘辛く煮込まれた牛肉の旨味が溶け込んで、思わずほっとする味わいに。 シャキッとしたネギがアクセントになり、うどんの甘みと絶妙なバランスをとっていた。 そして、ぜひ一緒に注文してほしいのが「かしわめしおにぎり」。注文が入ってから一つひとつ握ってくれるため、常にあつあつ。 隠し味には鴨のミンチが使われており、噛むたびにじゅわっと旨味が口の中に広がる。これぞ、心に染み入る味。

あと、柳瀬さんから、「山乃茶家」には、もうひとつの人気メニューがあるとの事。

それがジンギスカンだ。
これは常連のお客様からのリクエストを受けて始めたもので、自家製のこだわりダレが決め手。タレを買いに来る地元のお客さんもいるとの事!
一人前から注文できるのも嬉しいポイント。

あの日の味に少しずつ近づきながら

座敷席や小さな子供が遊べるスペースもあり、気兼ねなくゆっくりとした時間を過ごせる。

最後に、
「すべてのレシピが残っていたわけではないんです。山菜やジビエ料理など、再現できなかったものもある。でも、できる範囲で少しずつ、おばあちゃんの味に近づいていけたらと思っています。」

二代目・栁瀬拓也さんは、そう語ってくれた。

丁寧に、まっすぐに。「山乃茶家」の一杯には、そんな想いが込められている。
澄んだ空気と、美味しい水、そして心を込めて作られたうどんとそば。
「山乃茶家」は、味だけでなく、人のあたたかさまで感じられる場所だった。

きっとまた、あの味に会いに行きたくなる——そんな余韻が残るお店である。

山乃茶家の基本情報

所在地:福岡県朝倉郡東峰村小石原1111ー1
営業時間:10:00~14:30(土・日曜は16:30まで)
連絡先:090-6376-1055
定休日:木曜日

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