2016-01-22

宝珠山の民話3

産女(ウブメ)

むかしむかし、大行司の橋の下にウブメがおったげな。
ウブメちゅうとは、女の幽霊で、お腹に子ができたとに産みきらずに死んでしもうたけん幽霊になったげな。

ある時、このウブメがあるおなごに、
こん子を抱いちょってくれんかいね
と言うき、おなごは言わるるとおりに子どもを抱いちょった。

しかし、ウブメはいつまでたっても子どもを取りにこん。
とうとう夜の明け方まで子どもを抱いちょった。

夜明け近くにウブメが子どもを取りに来て、
えらいすんませんでした。なんかおかえしがしたいけんど、何がよございますか
と言うので、おなごは、
何よりも火事がいちばんえずかけん、火事のでんようにしてくれろ
と言うた。

夜が明けてみると、子どもと思ったのは、実は大きな石じゃった。

さて、昔から今まで大行司に火事があっても、家が焼けたことは一度もない
何度かぼやはあったけれどもすぐに消えてしもうた。
それで、これもウブメのおかげかなとみんな言うたげな。

(森本)

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